取組内容について

「静鉄プロパティマネジメント株式会社(以下、静鉄プロパティマネジメント)」は、商業施設「新静岡セノバ」の運営管理、及び東急ハンズ(現・ハンズ)フランチャイズ事業の推進を目的として、2009年に設立された会社です。現在では、「Den bill」や「しずてつ掛川ショッピングセンター S-PLAZA」などの商業不動産のマネジメント、「牧之原市さがら子生れ温泉会館」や「駿府城公園」、「静岡県草薙総合運動場」「藤枝総合運動公園」などの公共施設の指定管理者等、マンションやビルの管理・メンテナンス業務も請け負っており、さまざまな施設管理を行なっている企業です。その中でも、新静岡セノバは開業当時より、ES(従業員満足度)に力を入れており、今回は、新静岡セノバで働くスタッフが、楽しく長く働き続けられるために整えた仕組みをご紹介します。

店舗スタッフの働く環境を整えるために「セノバ保育園」を設立

静鉄プロパティマネジメントが、新静岡セノバの店舗スタッフが働きやすくするための環境整備として行なったのが、2018年開園の企業主導型「セノバ保育園」の設立でした。新静岡セノバの目の前の場所に、土日祝等を含む365日、8時〜22時まで稼働しています。定員は40名、新静岡セノバで働くスタッフなら誰でも利用可能で、一般も利用できる地域枠も用意しています。昼食・おやつ付きで、夜間の場合は夕食の提供も可能。園内調理なのでアレルギー対応もできるようになっています。新静岡セノバの営業時間が10時〜20時(営業時間は店舗により異なる)のため、開店・閉店準備の時間も含めて、とても利用しやすくなっています。

2023年4月からは、看護師を配置し、子どもの急病の際にも安心な病児保育の導入。第2子以降の保育料無償化も採り入れています。

店舗スタッフの働く環境を整えるために「セノバ保育園」を設立

運営コンセプトは「みんなで見守る」。保育園の日常の散歩コースに、新静岡セノバ館内が含まれ、親が働くところを子ども達は間近で見ることが可能。ハロウィンのときには、かわいらしい衣装を身にまとって館内を練り歩き、店舗スタッフからお菓子をもらう姿はたいへん微笑ましい光景です。保育園の業務自体は業務委託になりますが、静鉄プロパティマネジメント側も運営に積極的に関わり、イベントなどを一緒に盛り上げている点も注目すべきポイントです。

業種・フロアを超えたスタッフ同士の交流の場を提供

夏と冬の年2回、ESの向上を目的として「マネジメントオフィス(静鉄プロパティマネジメントの従業員)が徹底おもてなし!」をテーマに、新静岡セノバのフードコートを使用してスタッフパーティーを開催しています。新静岡セノバで働くスタッフが自由に参加することができ、最大参加者数は600名。コロナ禍においては開催を見送っていましたが、2023年10月に約3年ぶりに開催。400名近くが参加しました。運営会社である静鉄プロパティマネジメント主催で実施し、ショップ・フロアの垣根を超えたスタッフ同士の交流の場を設けました。

フロアの養生や、テーブルのレイアウト変更、飲食の手配等、準備は大変ではありますが、店舗スタッフに楽しんでもらいたいという思いのもと、準備を入念に行います。たとえば冬の開催時には、クリスマスプレゼント抽選を企画し、椅子の下に抽選券を用意するなど、毎回内容を変え、工夫を凝らしています。

※コロナ禍はスタッフパーティーは中止にしながらも、クリスマスプレゼント抽選企画は継続して実施。

業種・フロアを超えたスタッフ同士の交流の場を提供
商業施設としては異例の営業時間のフレックスタイム制度・休暇制度・営業時間短縮制度を導入

商業施設としては異例の営業時間のフレックスタイム制度・休暇制度・営業時間短縮制度を導入

一般的に商業施設は同じ営業日・営業時間で店舗をオープンしていますが、新静岡セノバでは2021年5月より、「トライ!はたらく時間PROJECT」と題し、(1)営業時間フレックスタイム制度、(2)パワーチャージ休暇制度、(3)一部ゾーンの営業時間短縮を導入しました。制度の導入の可否は、各店舗で判断できるようになっています。

(1)営業時間フレックスタイム制度……新静岡セノバは10時〜20時が営業時間ですが、11時から19時までを営業時間コアタイムとし、前後1時間の開店閉店時間を各店舗の任意で選択が可能。

(2)パワーチャージ休暇制度……年3日ほどの全館休館日に加え、店舗の福利厚生を目的に年間最大で2日間取得可能。年末と組み合わせた連休や、スタッフの福利厚生のためのリフレッシュ休暇等に利用されています。

(3)一部ゾーンの営業時間短縮……飲食・食物販店舗の営業時間を短縮し、集客状況に応じた営業を実施。

特にコロナ禍においては、感染リスクによるストレス、消費者の行動様式変更に伴う来館時間の変化、公共交通機関の最終便が早くなるなど、よりシフト調整や人材不足が深刻になっていました。これらの制度を導入することにより、シフト調整がしやすくなり、休みにくいという過度な負荷や、各店舗の慢性的な人材不足の軽減に繋がりました。

また、営業時間のコアタイムに人員の厚みをもたせることが可能となり、接客・サービスの向上、スタッフ教育に時間がかけられるなど、さまざまな成果が出ています。

今後の課題・予定

営業時間フレックスタイム制度の導入により、フロア内に19時に営業を終了してしまう店舗が多くなると、20時まで営業している店舗に19時以降にお客様が入りにくくなるという問題が上がってきており、これらの店舗へのケアが必要になってきています。

当社では今後も継続的なショップ支援をし続けるべく、「スタッフが1名少なくても回せるSC(ショップ)へ」を掲げ、フロアもしくは一定区画の完全キャッシュレスの導入や、飲食フロアにおいては、使用後の食器をバッグヤードでまとめて洗えるような仕組みも検討中。厨房内のスペース削減にもなり、より効率化が目指せるかもしれません。

その他にも、在庫管理や品出し業務のアウトソーシング等、今後もスタッフが働く上で抱えている問題に直視し、対策を講じられればとのことでした。

取組企業からの声

セノバ事業部 管理課長

望月 敬介さん

当社は開業当初よりESに力を入れており、お客様がいて、ESからCSに繋がると考えています。従業員が売り場に立つ百貨店と異なり、商業施設の場合は我々デベロッパー側は直接売り場には立ちません。このため、最前線の売り場に立つショップスタッフが、本当に良い接客を行うためにはどうしたら良いか、また、その先のお客様が楽しく買い物をする姿を常に考えるようにしています。

取材メモ(編集後記)

静鉄プロパティマネジメントは、スタッフが働きやすくするのはもちろんのこと、それだけでなく「利用者サービス」といった観点にも重きを置いており、お客様目線でのサービスにも力を入れています。たとえば、保育園の場合、園内デザインにこだわったり、園内調理や病児保育を導入したりと、必ずしも必須ではない内容ですが、“あると嬉しい”サービスです。特に営業時間のフレックスタイム制度・休暇制度・営業時間短縮制度の導入は、多くのメディアに取り上げられ、話題になりました。これらのさまざまな取り組みにより、同じ商業施設のデベロッパーから注目され、全国各地から視察が訪れるようになっているようです。
なお、これらの取り組みはやりっぱなしではなく、定期的にアンケートを実施したり、普段から店舗を周り、店舗スタッフと会話をすることで現場の声を拾い上げているとのこと。新静岡セノバの店舗スタッフの働きやすい仕組みづくりについて、今後の展開にも期待が高まります。

(文責:河田良子)

静鉄プロパティマネジメント株式会社

所在地
静岡県静岡市葵区鷹匠1丁目14−5
電話番号
054-266-7014
業種
不動産
従業員数
82名 

男性37名、女性45名
(正社員/男性33名、女性15名、パート/男性4名、女性30名、管理職/男性17名、女性3名)
※2023年7月31日時点

※人数は取材時のものです

設立年月日
2009年4月10日
ウェブサイト
https://www.shizutetsu-pm.co.jp
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