株式会社ひらおか女性管理職の誕生で社内制度を大改革　社員登用制度、育休復帰支援プラン等を検討

平成28年度
特別賞受賞

[業種]: 婦人服販売

#結婚 #キャリア #出産 #育児 #働き方 #転勤

株式会社ひらおか

所在地: 静岡市葵区春日2-11-10

電話番号: 054-254-5511

業種: 婦人服販売

従業員数

138名

男12名、女126名／正社員42名（男 5名、女 37名）／契約社員・パート・アルバイト96名（男7名、女89名）

※人数は取材時のものです

設立年月日: 昭和36年2月

ウェブサイト: http://www.meirire-hiraoka.co.jp

MAP

「株式会社ひらおか（以下、ひらおか）」は、「meirire（メイリールー）」「Hiraoka」の名前で、婦人服販売店を、静岡で12店舗、山梨・愛知・三重で9店舗を展開している会社です。
2015年12月に、管理職9名を新たに登用し、これを機に、従業員の働き方の選択や、育休復帰プランの導入などを検討することになりました。そして、2016年4月に、就業規則を見直し、さまざまな取組みを実施し始めました。

女性管理職の誕生

2015年夏、社長が経営改革を試み、正社員の中から管理職を募集することになりました。これにより5人の女性管理職と、4名の男性管理職が誕生しました。（※2016年8月にさらに一人増え、現在は、女性管理職は6人）
それまで、管理職には男性7名のみ。4名が社内業務を、3名が店舗を見るエリアマネージャーでした。婦人服販売ということもあり、現場は女性中心。現場から上がってくる意見・要望の中には、女性なら理解しやすいことでも、男性の上司には理解してもらうのが難しいこともあったそうです。
今回の試みで新たに女性管理職に就いた、人事・管理部の澤戸さんもその一人。もともと管理部に所属し、人事を担当する中で、現場の声が反映されにくい状況があることを知り、それなら自分がと手を挙げたそうです。人事・管理部門に女性部長を配することで、現場従業員の意見に寄り添えるようになり、経営層との距離が近く感じられるようになりました。
また、店舗の方も、今までは男性エリアマネージャーに待遇や仕事について相談する体制でしたが、女性が新たに管理職となったことで意見交換が活発になり、風通しのよい職場環境へと変わっていきました。

働き方を選択できるように

2016年4月の就業規則一新に伴い、正社員をライフスタイルに合わせて「全国転勤可能な正社員」「地域限定正社員」「短時間正社員」の3つに分けることになりました。
それまでは、正社員に区分はなく、転勤の可能性もありました。もちろん転勤は強制ではなく、家庭環境を考慮し、打診した上で是非を確認していましたが、明確な基準がありませんでした。
新制度の導入後は、年1回提出する自己申告書をもとに面談を行い、働き方の希望を聴取。申告時期以外にも、結婚・妊娠・出産などライフイベントに合わせ随時面談を実施し、本人のやる気と希望を確認するようにしました。

育休復帰支援プランの導入と、再雇用

従来から、就業規則に育児・介護休業についての記載はありましたが、利用した人は過去に1人のみ。何となく自分で「辞めた方がよい」と判断し、退職する人がほとんどでした。2016年4月の就業規則の見直しの際、育児・介護休業の取得が可能なことを伝えたところ、2016年9月現在、育休取得者が5人（正社員4人、契約社員1人）、10月には2人が職場復帰予定とのことです。
また、「育休復帰支援プラン」を導入。妊娠・出産から復帰まで、随時面倒を行い、業務の引継や復帰後の働き方などについて確認をし、書面できちんと記すようにしました。
なお、制度導入に伴い、過去に結婚・出産・介護を理由に退職した社員の再雇用も実施。過去に退社した従業員40〜50人に一人ひとり電話をかけ、就業規則が変更になり、働きやすい環境になったことを伝えました。時期が経っていたため、すでに再就職していたり、連絡つかなかったりした人も多かったそうですが、再入社してくれた従業員も出てきているそうです。

正社員転換制度の導入

従来より、正社員転換制度を設けていましたが、実施時期が決まっていなかったため、本人の希望があっても正社員試験を受けられないことがありました。
2016年4月以降は、年3回（6月・10月・2月）、正社員試験の時期を決め、キャリアアップの機会を増やすことになりました。これにより、2016年8月に3名の正社員が誕生し、10月にはさらに3名の社員試験を実施する予定です。

その他の取り組み

2016年4月以降、婦人科検診の費用を会社負担で実施するようになりました。
また、接客のスキルアップ研修を実施。今まで接客スキルは、働く店舗の上司のみからの指導でした。自分の接客が他店で通用するか自信がなく、店舗移動に消極的な従業員も多かったそうです。研修で会社の接客方針を伝え、どの店舗で働いても仕事のやり方は同じということを伝えました。店舗移動への不安軽減に役立っているそうです。なお、この研修は正社員・契約社員はもちろん、パートや学生アルバイトが参加することも可能で、勤務時間に含まれています。