取組内容について

「株式会社アドテクニカ(以下、アドテクニカ)」は、法人向けのデジタルコミュニケーションおよびデジタルマーケティング領域のクラウドサービスの開発提供を行っている企業。BCPプラットフォームの安否確認システム「安否コール」をはじめ、CMSツール「フリーコード」、次世代型の通販プラットフォーム「クロスコマースゲイト」、顧客管理 MAP「eMAPロケーション」などを主軸とし、上場企業など2000社以上の法人にDX推進としてクラウドSaaS製品を導入するソリューションを強みとしています。

フレックスタイム制・テレワーク導入で男性の子育て参加を促す。

子育て世代の従業員が多いアドテクニカ。子育てと仕事の両立ができるよう、会社としても早くからサポートを行っています。女性だけでなく、男性も積極的に子育て参加できるよう、多くの事例を出しているのが大きなポイント。過去には男性従業員が1ヵ月の育児休暇を取得したという例もあります。
新たに子どもの送迎などに合わせた勤務時間変更が可能なフレックスタイム制を導入。これは、ある男性従業員が子どもの保育園の送迎のために、定時勤務9:00〜18:00のところ10:00〜19:00の勤務にしたいとの申し出があったことから導入したそうです。
また、在宅介護や産休・育休など、家庭の事情等に合わせてテレワークを柔軟に利用できるようにしています。
前述の男性従業員は、子どもの迎えのために15:30から中抜けをするフレックスタイム制を利用しながら、週3出社、週2テレワークしており、自転車通勤をしていた女性従業員が、妊娠中に通勤への不安を感じていたためにテレワークに切り替えをしたこともあります。
その他、腰痛がひどく通勤がたいへんになった時には週1出社、週4テレワーク等、本人の状況に合わせて対応。
このように、個々の事情に合わせ、働きやすいように柔軟な対応を随時採用している点が魅力的です。

個々の専門能力の向上と、スキルアップを目指すためのコース設定。

従業員が26名(2022年10月20日時点)であるため、役職者になるには限りがあります。その中で、モチベーションと個々の力をあげるために、2021年7月から役職者を目指すマネジメントコースと、部下は持たないが専門職を極めるエキスパートコースを選択できるようにしました。これは、各コースともに、筆記試験や役員面接を経て昇格していくという制度です。この制度の設置により、ステップアップを目指し、スキルを極める従業員が増えてきています。
また、業務に必要なPHP技術認定試験などは、受験費用やテキスト代だけでなく、資格取得後の年会費も会社で負担しています。2020年には正社員全員へWeb検定の受験・取得を目指し、職種関係なくWebに関する一定レベルの知識を持ち、Web系人材としてのスキルアップを促進しました。その後も全社会議の場などを通じて検定内容の問題を出題し、知識定着をはかっています。
2019年度からは従業員間で評価し合う「360度評価」を導入。上司や後輩など、同僚からの評価をもらうことで、新たな気づきが見つかるようになりました。その他にも役員や幹部メンバーが集まる幹部会、リーダークラスの従業員が参加するリーダー協議会を設置して、会社全体に関わる方針や課題解決への協議・意思決定ができるようにすることで、従業員のオーナーシップを醸成しています。5年後、10年後に会社を牽引する次世代のリーダーを育成する集まりの場の用意もしています。
このように、従業員の専門能力向上の機会を用意し、個々の意見や取組が会社全体に伝わるように細やかに配慮しています。

グッドプレイヤー賞、個人プレゼン大会といった日頃の業務に関わる内容での表彰のほか、健康促進を目的として歩数計アプリを利用した社内大会も開催。従業員に健康にも目を向けてほしいとの思いが伝わってきます。それぞれ達成に応じて報奨金が出るのも嬉しいところです。
また、箱根や長野のリゾート地で経営合宿を実施し、従業員のリフレッシュとモチベーションアップに繋げる取組を新たに実施。コロナ禍でコミュニケーションをとる機会が減りつつある中、社員旅行も兼ねて1泊2日で行っています。従業員からも好評だったようです。

取組によって得られた声

クオリティソリューション事業部

大庭 正考さん

2022年入社

キャリアを積みつつ、子どもがいて、共働きで両親も遠方であるため、定時内での勤務が可能である会社を探していました。入社の際、10:00〜19:00のフレックス制度の利用を申し出たところ、快く受けてくださり、とても助かっています。他にも子どもが風邪をひいて保育園や幼稚園に行けないとき、出勤時間をずらして病院に行ったり看病したりできるので助かっています。

インサイドセールス営業部 サブマネージャー

熊代 真奈美さん

2019年入社

アドテクニカは、結婚・出産・家庭環境に影響されず、業務内容を評価してもらえます。また、それをサポートできるような業務体制も整っている会社だと思います。アドテクニカでは、子どもの行事に参加でき、体調不良等の急なトラブルへの対応もしやすくなっています。急な休みや長期休暇のときは、テレワークに切り替えさせてもらえる柔軟さも。子育てをしながら働いている従業員も多く、“お互い様”の意識があるように感じるのは嬉しいですね。

取組企業からの声

代表取締役社長

下村 聡さん

一人ひとりがオーナーシップを持ち、多様な人材の能力を最大限に発揮できる経営を目指したい!

テレワークはあくまでも手段のひとつに過ぎませんので、最先端のITサービスを提供している以上、当社自身がDX推進による生産性向上を目指さなければなりません。社会全体で一般的になったこともあり、当社でも誰でもテレワークができる環境を用意しています。一人で業務をこなせる、同居人の理解を得られる、通信環境・セキュリティ環境が整っている等の一定の条件がありますが、多くの従業員が利用しています。
また、テレワークにより全従業員が集まる機会やレクリエーションが減ったことで、円滑なコミュニケーションができにくくなったと感じています。そのため、一人ひとりがオーナーシップを持ち、会社組織に参画している意識を高めるために、意見交換の機会を積極的に用意しています。経営課題解決のための経営合宿を実施したり、多様な人材の能力を最大限引き出すための次世代リーダー育成のプロジェクトを立ち上げて、10年先、100年先の未来に向けたワーケーションなども開始しました。これからは、幼い頃からITに触れてきたZ世代と呼ばれる若者たちに注目した経営がカギになると考えています。

取材メモ(編集後記)

女性従業員が多く、管理職にも女性が多かったことから、以前より働きやすい職場環境づくりを目指しているアドテクニカ。1日2時間からのパート勤務も可能だったり、IT業界では珍しく早くからノー残業デーを設定したりと、さまざまな取組を行っていました。今回は平成29年度の特別賞に続き、大賞を受賞。従業員26名(2022年10月20日時点)の中での女性管理職の人数、柔軟な働き方の導入など、全体的に幅広く取り組んでいることから大賞受賞となったそうです。今後は、目標管理設定の内容の見直しや、外部のエンゲージメントサーベイなどを利用した従業員のモチベーションを計る取組の導入も検討中とのことでした。

(文責:河田良子)

株式会社アドテクニカ

所在地
静岡市駿河区中田2丁目4-40
業種
IT情報サービス
従業員数
26名 

男15名、女11名
(正社員/男13名・女6名、管理職/男4名・女4名)
※2022年10月20日時点

※人数は取材時のものです

設立年月日
1982年4月1日
ウェブサイト
https://www.adtechnica.co.jp
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