取組内容について

アクタガワでは経営理念の一つに「お客様第一主義」ではなく、「社員第一主義」を掲げている。というのも、社員が笑顔でなければ、お客様を幸せにすることはできないからだ。社員一人一人がやりがいを持ってイキイキと働ける環境を構築することこそが、お客様に最高のサービスを提供できることに繋がる…そんな思いからワークライフバランスへの取組みがスタートした。

働き方の見直し<就業形態変更制度>

女性社員の75%を占めるアクタガワ。結婚・育児・介護…様々なシーンで活用できるユニークな就業スタイルが用意されている。

①CC社員(child care)コース~子育てコース

子どもが小さいうちは何かと心配事が多いもの。そんなお母さん社員のための制度。<対象:4歳〜小学校3年生修了までの子、または孫を持つ社員/処遇:一時的に元の職位・給与から外れるが、就業時間6時間の短時間勤務が可能>※利用実績(2016年11月現在)1名

②FC社員(family care)コース~介護コース

仕事も大事だけれど、今は家族の介護が必要…という社員のための制度。<対象:介護が必要な父母・祖父母・配偶者を持つ社員/処遇:一時的に元の職位・給与から外れるが、就業時間6時間の短時間勤務が可能>※利用実績(2016年11月現在)1名

③管理職TB(temporary break)コース~管理職一旦お休みコース

仕事も大事だけれど、今は〇〇が大切な時…という社員のための制度。管理職に就いている社員が家庭の事情等で一旦管理職から離れたい時期に利用できる。<対象:管理職/処遇:一時的に管理職から離れ、会議出席等、従来管理職に求められていた役割が免除。事情が一段落したら再び管理職として復帰できる。>※利用実績(2016年11月現在)2名

④VH社員(vacation for hobby)コース~趣味対応コース

仕事も大事だけれど、趣味も充実させたい……という社員のための制度。普通に働きながら3か月単位で最大1年間、趣味のための休暇を取得することができる。<対象:全社員/処遇:サーフィン、旅行など、どんな趣味でも可。年間1回のみ3か月〜1年の間で利用可>

その他制度

就業形態変更制度以外にも、社員の毎日を支えるきめ細やかな制度が充実。しかも、ニーズに応じ、より使いやすく随時進化していく。

①託児所・保育所・学童保育補助制度

託児所・保育所・学童保育の補助制度。<毎月最大5万円まで支給。※勤務時間他の支給要件があり>

②介護支援金制度

同居の2親等または別居の1親等の家族が自社の介護サービスを利用する際に、介護保険サービス利用料の自己負担金額を100%(30%の場合もあり)支援。また、15年以上在籍した社員自身も同じ内容で支援。

③同伴・アフターデイ制度

介護の必要な家族に自分の職場のデイサービス・小規模多機能を利用させることが可能。自分の出勤時間に家族を同伴してデイサービス・小規模多機能を利用し、退勤時に一緒に帰ることが可能なため、送迎の時間を気にせず、仕事中も常にご家族がそばにいるので、安心して仕事に取り組める。

④育自休暇制度<再チャレンジキャリアアップ制度>

壁に当たってしまい学び直しをしたい、さまざまな自己投資にチャレンジしたいという社員に向けた制度。留学・資格取得・他社への転職など個人能力のステップアップのための退職であれば「再入社権利書」を発行、3年以内なら復職(復活)可能。

⑤トリプルH(happy hobby holiday)制度

仕事も一生懸命だが趣味も一生懸命な社員を応援。趣味活動のため最大3日の特別休暇(有給)を1年間に1回取得可能。

その他、現在考案中の制度

シングルマザー手当<扶養家族手当とは別途に一人2000円支給>

取組によって得られた声

ハートフルホーム城北 主査

大塚麻衣子さん

2006年入社
家族/夫・娘(4歳)

小学校3年まで短時間労働が可能。安心してこれからも頑張れる!

介護職をやっていた母の影響があって介護職を選びました。アクタガワでヘルパー2級の養成講座が開講され、それに参加。資格取得後、試用期間を経て社員へ。デイサービスの職員として働くようになりました。そんな時、結婚、そして出産という転機が訪れました。仕事は辞めたくなかったので、産休後もフルタイム仕事をしようと頑張っていた時、ちょうど出来たのが「CC社員(child care)~子育てコース」。「あなたのような人のために作った制度なんだから、取得したら?」という上司の勧めもあり、取得を決意。労働時間が6時間に短縮されたことで、かなり楽になりました。現行の労働基準法では短時間労働が許されているのは3歳までですが、当社の制度を利用すれば小学校3年生まで取得できます。すごく安心ですし、ありがたいと思っています。これからもこの制度をうまく利用して、仕事・家庭・育児と最高のバランスを保ちながら頑張っていきたいと思っています。

ハートフルホーム常磐 主査

鈴木文恵さん

2003年入社
家族/80歳の母との二人暮らし

母親の面倒を見ながら、仕事を続けられるというのは本当に幸せ!

「一生やりがいを持って取り組める仕事は?」と考えた時、思い浮かんだのが介護の仕事でした。アクタガワが開催する「ヘルパー2級講座」へ参加をきっかけに、入社すること。現在はハートフルホーム常磐で主査を担当しています。
こんな私ですが、2年前、80歳になる母の介護が必要となり、「社員からパートになるか、それとも会社を辞めようか」と悩むことに。その時、教えてもらったのが「FC社員(family care)コース~介護コース」です。現在は、このコースを利用し、朝は母をデイサービスに送り出した後9:00に出社、16:00〜17:00の間には仕事を終え、家で母を迎えることができるようになりました。時間に余裕ができたことは心の余裕にもつながります。かなり精神的にも助けられています。期限の制限もなく、無制限で利用できることも安心です。こうして母親の面倒を見ながら、仕事を続けられるというのは本当に幸せ。今は焦らず、毎日を大切に過ごしていきたいですね。先のことはもう少し後になってから考えます。

統括本部次長 中部第2エリア エリアマネージャー

吉田みゆきさん

2000年入社
家族/夫との二人暮らし

社員の笑顔から幸せを広げて行きたい

老人病院で介護の仕事をしていたのですが、日々の仕事に納得できず「もっと心のこもった仕事をしたい」そう思っていた時に出会ったのがアクタガワでした。入社したのは介護保険法が施行された2000年。最初は社員は5名程度で訪問介護、入浴、居宅サービスを担当する毎日でしたが、どんどんと忙しくなり、エリアマネージャーを任されることに。そんなある日、プライベートで問題が発生。娘が体調を崩し、孫の面倒を見ることになったのです。「どうしようか」と悩んでいた時に上司から提案されたのが、「管理職TB(temporary break)コース~管理職一旦お休みコース」。孫が小学校に入学する年から2年間取得させてもらいました。日々の仕事内容は変わりませんが、就業時間外に行われる会議などは全て免除され、時間通りに帰宅することが可能に。現在は、プライベートの問題も乗り越え、現在は再びエリアマネージャーとして復活。日々担当施設を飛び回っています。アクタガワという会社は本当に温かい会社だと思います。社員一人ひとりをとてもよく見てるし、困った時は手を差しのべてくれる。私自身が与えてもらった会社の温もりを今度は後輩たちに伝えて行きたい。そして、社員、施設を利用しているお客様みんなに笑顔と幸せを広げていけたら…、そう思っています。

取組企業からの声

取締役

塚本 泰彦さん

アクタガワでは、経営理念で、「人間の生きがいを尊重し、福祉による地域コミュニティの創造する」を謳っています。アクタガワの福祉とは高齢者だけが対象ではなく、地域における全ての人が対象。人と人とが絆で結ばれる地域社会を構築=福祉による地域コミニュティの創造に繋がるのではないでしょうか。その足がかりの一つとして考えているのが、地域保育園。お年寄り、子ども、お子育て中のお母さん、お父さんが触れ合える地域コミニュティーの役割を持った施設を作りたいと思っています。早ければ来年、再来年には必ず実現させたいですね。

取材メモ(編集後記)

「社員が100人いたら100人の働き方があるんじゃないか。それに合わせた就業を作っていこう」という思いからアクタガワの制度づくりはスタートした。徹底しているのは、社員の声を聞くこと。そのための制度として、制度上のわからないことを質問できる「教えて管理本部」。こうゆう制度があったらいいなを提案できる「もしもボックス」。業務上で改善したいことを書く「業務改善提案書」。パートさんも出席し、意見を出し合い幹部会へ提出する「チーム会議」などが実際にあり、機能している。さらに、社員であれば、どんな会議でも出席することができるのだ。こんなに風通しのいい会社は珍しいかもしれない。アクタガワの制度は、社員の声から生まれ「ing」…、常に進化中である。

(文責:有馬奈美)

株式会社アクタガワ

所在地
静岡市駿河区馬渕1-8-1
電話番号
054-280-5588
業種
介護関連サービス事業・生活支援サービス事業・教育サービス事業・医療・福祉専門人材紹介・派遣事業・未来創造事業
従業員数
680名 

男性479名、女性206名/※女性管理職比率25%

※人数は取材時のものです

設立年月日
1999年6月14日
ウェブサイト
http://www.staff-akutagawa.co.jp/
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