取組内容について

「コニカミノルタ」を親会社に持つ「コニカミノルタ静岡」は、静岡県の地域社会に寄り添う販売会社として設立し、オフィス情報機器などの販売、サービスの提供を行う企業です。また、働き方改革の自社実践から得たノウハウ「いいじかん設計」を用い、コンサルティングサービスやソリューションなどの提供も行い、企業のIT活用によるオフィスの働き方改革と生産性の向上の支援も行っています。

月25時間だった残業時間を月15時間程度に削減

数年前まで、「コニカミノルタ静岡」の残業時間は月平均25時間だったそうですが、現在では月平均15時間程度まで抑えられているといいます。
毎月第2・3水曜日と、プレミアムフライデーとして定めた第2金曜日は、「ノー残業デー」とし、デジタルサイネージによる社内掲示や、前日に全社員に向けてメールで通知。クライアントとの都合により残業になる場合は事前申請制としました。
また、営業部は仕事のスタイルによって直行直帰を可能に。カスタマーエンジニアが所属するサービス部は「ノー残業デー」以外に月3日程度、早帰りの日を定め、その3日は部内のローテーションで決定。業務部は令和2年に使用するシステムを変更することで作業時間を短縮し、残業がほとんどない部署となりました。

月25時間だった残業時間を月15時間程度に削減
時間単位での有給取得、バースデー休暇など休暇をとりやすい仕組み

時間単位での有給取得、バースデー休暇など休暇をとりやすい仕組み

令和3年1月からは、それまで半日からだった有給休暇を1時間単位で取得可能にしました。きっかけは従業員の妊娠による通院だったそうです。当初は通院に半休を使用していましたが、1時間単位での取得を可能としたことで、通院と仕事を両立しやすくなりました。
また平成30年からは、誕生日、あるいは誕生月に休暇を取得するバースデー休暇を導入。トップメッセージとしてメールで案内し、幹部に向けても取得促進の案内をしているそうです。
これらの制度により、有給取得率が上昇しています。

モバイルデバイスに切り替え、リモートワークが可能に

平成29年からモバイルデバイスを導入し始め、令和元年には全従業員に配置が完了。リモートワークができる環境が整いました。パソコンとスマートフォンを連動させ、パソコンを開かなくてもスマートフォンから作業が可能。これにより、外出が多い営業職は、移動途中の車内やカフェなどで作業ができ、時間を有効活用できるように。残業の削減にも繋がりました。また、会議もオンラインでできるようにし、会議のために出先から社内に戻らなくても車内等で対応が可能になりました。
令和2年からはチャット機能等を備えたMicrosoft Teamsを導入。チャット機能を利用しタイムリーに報告することで、さらなる作業の効率化へと繋がりました。

モバイルデバイスに切り替え、リモートワークが可能に

キャリアップの機会の用意やOJTにおける人材育成

業務で必要な基礎知識などを学べるeラーニングコンテンツを用意し、従業員が無料で受講可能。また、IT Fundamentalsや簿記、働き方マスター試験などの公的資格支援制度も運用し、従業員のキャリアアップ支援をしています。半期に一度、従業員に向けて案内し、利用を推進しているそうです。
また、新卒者研修では、総合研修に加え、専門スキルを身につけるところまで実施。配属後もメンター(先輩社員)を指名し、OJTでの人材育成を行っています。

定年後の継続雇用制度も整える

定年後の継続雇用制度も整える

「コニカミノルタ静岡」での定年は63歳としていますが、希望があれば65歳まで就労可能。また会社と本人とのニーズが一致すれば、期間社員として年単位で継続雇用が可能で、令和3年11月現在、68歳の方もいるそうです。

新型コロナウイルスに関する新たな取組

新型コロナウイルスの流行の際には、リモートワーク、直行直帰の推進のため、社用車の持ち帰りの手続きを手書きの書類からオンラインへ変更。外出先からも申請ができるようにしました。また社用車の通勤利用を可能にし、公共交通機関の利用での感染リスクを懸念していた従業員の不安解消へと繋げました。
そのほか、在宅勤務で生じる従業員のメンタルヘルスリスクに備え、相談窓口も用意しました。

取組によって得られた声

サービス部

小田達也さん

2008年入社

妻の出産に合わせ、1カ月の育児休暇を取得しました。
出産予定日の3カ月前に本社人事部・現地人事部長・所属上長を交えてWebミーティングを実施し、社内外の仕組みや補償などの詳細を教えてもらいました。また、現場のメンバーも快く協力してくれたので、不安なくスムーズに育休をスタートできました。
育休取得してみて感じたのは、一言でいうと「育休取得は必須のもの」ということ。夫婦ともに県外出身で、両親も高齢、さらにコロナ禍での往来抑制もあり、育児力不足が問題でした。そうでなくとも、産後から産褥期の妻の心身負担は想像以上のものです。なるべく何もしないで休んでもらうことは、今だけでなく、人生全体を考えた上で重要なことだと考えました。
また、自分自身も家事育児の経験を積み、スキルアップできたことも大きな利点でした。会社も自治体も、有利な仕組みを多数用意しているので、ぜひ周囲にも育児休暇のよさを広めていきたいですね。

取組企業からの声

代表取締役社長

吐前敏孝さん

創造する時間と自分の時間を大切にできる時間設計を

「コニカミノルタ」では、「いいじかん設計」という考え方の取組を進めています。単純作業等の「作業じかん」を削減することで、アイデアや企画など、仕事の価値を生み出す「創造じかん」と、家族と過ごす時間や自己研鑽などの「自分じかん」を増やすことを提唱しています。従来の働き方改革では、作業じかんを削ることばかり考えられていましたが、これからは仕事の創造じかんとともに、社員の自分じかんを充実させることが必要だと考えています。今後も従業員にとって働きやすい環境や仕組みを検討していきたいですね。
静岡で働く方のお役に立ち、地域社会から支持され、必要とされる会社を目指しています。

取材メモ(編集後記)

これらの取組の導入に際して、決定から導入まではスピーディーに進んでいったとのこと。まだ新しい社内はカラフルでとても快適な空間。フリーアドレスの環境になっていたり、出社せずに直行直帰が可能だったりと、場所にとらわれない働き方になっていました。
また、男性が1カ月の育児休暇を取得している点も注目すべきところ。設立当初はキャリア採用のみで、新卒採用は2年前からスタートしたばかり。今年初めて妊娠・育児の対象となる方が出てきたばかりなので、育休明けの従業員への対応について、これから管理職向けの研修等を準備していくとのこと。これからまた新しい取組が生まれてきそうです。

(文責:河田良子)

コニカミノルタ静岡株式会社

所在地
静岡市駿河区馬渕4丁目12-10
電話番号
054-654-5511
業種
事務用機器卸売業
従業員数
44名 

男性36名、女性8名 ※派遣を除く

※人数は取材時のものです

設立年月日
平成27年12月1日
ウェブサイト
https://www.konicaminolta.com/jp-ja/kmjs/index.html
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